刑事のまなざし 感想とあらすじ 第8話 隠された真実
椎名桔平さん主演の「刑事のまなざし」の8話はまた実にやるせない話でした。
実際に罪を犯した人間は、平気で他人の生き血を吸ってのうのうと生きているのに、その犯罪者に苦しめられている人間は、そのために死を選ぶほど悩んでいるというのが、実に腹立たしかったです。昨今は、加害者の人権を叫ぶ前に、被害者の人権こそもっと尊重すべきだという声も上がるようになってきましたが、まさにその通り。やはり最も責められるべきは犯罪者なのです。
今回はでも、一見「加害者」にも見えた女子高生が、実は彼女もまた悩み苦しんでいた「被害者」だったというお話でした。以下簡単なあらすじとネタバレです。
カウンセラーの田辺久美子が担当していた女子高生=仲村有香(松岡茉優)は、数年前に痴漢に遭って以来、精神が不安定になり、自傷行為にまで及んでいました。田辺がなんとか彼女を立ち直らせようとしていた矢先、ここに夏目達が訪ねてきます。なんと有香が、ある殺人事件の容疑者に挙げられているというのです。
殺された男は沢田浩司(青木玄徳)。若い女性を狙っては、出会い系サイトで働かせたり美人局をやらせたりという、とんでもない悪党だったこの男が殺された日、マンションの部屋から出ていく有香の姿が監視カメラに写っていたそうなのです。
しかも沢田は何度もこの有香に電話をかけていたらしいことが分かっているのに、有香は、沢田には何度か逢ったことがあるだけで、親しくもなければ家も知らないと言い張りました。
痴漢に遭って以来ずっと苦しんできた子なのだから、犯罪者扱いしないでほしいと夏目を牽制する田辺に対し、夏目は何もかも見抜いたようなあのまなざしでこう言います。部屋の中にいただけでは分からないことがたくさんある。君も自分の足で動いて彼女の真実を探してみるといい。
なんと有香は、田辺にあられもない姿を撮られ、ずっと脅されていたのだそうです。有香がバスで痴漢に遭ったのも、実は田辺が仕組んだことで、善良な公務員=岩崎(平田満)を痴漢に仕立て上げ、職場に知らされたくなければ金を出せと脅すつもりだったのだそうです。
が、田辺に先んじんて、有香の近くにいた人々が岩崎をバスからおろして警察に突き出してしまったため、引っ込みの付かなくなった有香は、そのまま岩崎を訴える羽目になり、教員だった岩崎は辞職に追い込まれてしまったのだそうです。
が、岩崎はその後、有香が自傷行為に及んだことを知り、自分の娘も5年前に自殺をしていたことから、これ以上有香を傷つけたくないと、控訴を断念したのだそうです。そのことがでも有香を精神的にますます追いつめていくのです。
その上岩崎は有香のために田辺と接触し、例の写真を返すよう迫った際に、誤って田辺を殺してしまったそうです。事情を知った有香は、今度こそ岩崎の罪を庇おうと、またしても自殺を図り、助けられた暁には、自分が田辺を殺したのだと嘘の自白をいたしました。
「君は嘘をついている」
自殺をすることも、嘘をついて庇うことも、本当の意味での「償い」ではない。君はどんなに辛くとも、憎むべき犯罪者だった田辺の罪を公にし、そのために岩崎さんを冤罪に陥れてしまったこと、その君を救うために岩崎さんが過失を犯してしまったことを明らかにしなくてはならない!
あんなダニの様な男は殺されてしかるべきだ~ついそう思ってしまう一方で、夏目なら、あの男をどう裁いたか、あんな男でも更生させることができたのか~が見たかったおばさんでもありました。
刑事のまなざしは、来週の放送もとっても楽しみでございます。
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