半径5メートル ネタバレと感想 第8話 野良犬は野垂れ死ぬしかないってか?
【半径5メートル】の第8話は「野良犬は野垂れ死ぬしかないってか?」です。このドラマは回を重ねるごとに深くなっていきますよね👍。今回のエピソードもとっても良かったです。以下早速ネタバレです。
就職氷河期世代
風未香は今回、恩師に再会したのをきっかけに「就職氷河期世代」について取材することにしました。
恩師
その恩師=阿南(須藤理彩〜光岡弘子@俺のスカート、どこ行った?)と再会したのは、彼女が働いていた喫茶店でした。中学時代に怪我で入院して1ヶ月学校を休んだ風未香は、休み明けに全く勉強についていけなくなったのだそうです。それで塾に通った時に出会ったのが阿南でした。阿南が親身になって教えてくれたおかげで、風未香は全教科平均点が取れたのだそうです。阿南はその日の帰りに「頑張ったご褒美」だと言って肉まんを奢ってくれたのだそう。風未香が勉強や読書が好きになったのはこの頃からだそうです💖。
風未香は大喜びで声をかけます。阿南先生ですよね?私です。前田風未香です😻!!まさかまた阿南先生と会えるなんてと感激する風未香に阿南も喜びながら、でも「先生」は止めて、と答えました。阿南は当時アルバイトだったのだそうです。風未香は、あんなに良い先生がアルバイトだったなんて、と不思議がりました。宝子は、あの年頃はちょうど就職氷河期だろうから、就職できなかったのではないかと推理します。バブルが崩壊し、長引く不況のために社会全体が就職難だった時代。
この言葉を初めて聞いた風未香は早速ネットで調べました。そこで氷河期世代のシングル女性で「野良犬」を標榜する女性のSNSを発見します。彼女は3年前に8年間働いた会社から雇い止めに遭い、現在も係争中なのだそうです。国はようやく彼らを「人生再設計第一世代」と位置付けて支援を始めたそうですが、時間を巻き戻すことはできません。まさしく社会の都合で可能性を潰されてしまったのです😔。
"野良犬"
風未香は宝子と一緒に早速そのSNSの女性、通称「野良犬」に会いに行きました。本名は須川恵美子(渡辺真起子〜清水照美@天使にリクエストを)と名乗った彼女は面会の場所を、今彼女が相談に乗ってもらっている法律事務所に指定してきます。そこの金崎という弁護士は、SNSで須川のつぶやきを見つけて、自分から連絡をとってくれたのだそうです。氷河期時代の女性は、頑張っても社会から否定され続けたために、自己肯定感が低くなってしまうケースが多いのだそう💦。
風未香は須川の訴えを聞いた後、今一番望んでいることは何かと尋ねました。すると須川は「謝ってほしい」と答えます。風未香が「会社に対してか」と確認すると、そうではない、全日本国民にだ、と答えました😨。私たちを捨て駒にして回ってる世の中でぬくぬくと生きている人たち全員に土下座させたい!💢
風未香はこの言葉に大いに違和感を感じました。一方の宝子はここで須川に興味を抱き、その過去を調べに行きます🎶。ここがこの二人の大きな差ですね。が、宝子はそこで風未香にもヒントを与えました。今日の風未香の受け答えは、どこか「他人事」な感じがした。何でだろうね?🤔
声なき声を聞く
そこで風未香は、須川のように自己主張ができないで悩んでいる人を取材したいと考えました。藤川と海老原から、それなら派遣切りや雇い止めを行った会社を調べてみたらどうかと助言されます。そこで風未香は、ふと、阿南が派遣会社に登録していたことを思い出しました。調べてみたら、その会社は大規模な派遣切りをしていたそうです。風未香は心配になって阿南に会いに行きました。
阿南はどうしてそんなことを調べたりしたのか、と少し迷惑そうに尋ねます。風未香は名刺を差し出しました。阿南は、へえ、すごいね、雑誌の編集者さんなんだ🙄。風未香は自分の失敗を織り交ぜながら仕事の内容を説明し、今は就職氷河期について調べていると教えます。でも阿南は、そういう時代に当たっちゃったんだから仕方がない、自分にも問題があったのだと答えました。風未香は、早速金崎を紹介しようとします。一度お話ししてみませんか。
阿南は分かったと言って、もうそろそろいいかな、と話を切り上げようとしました。買い物に行きたいからと謝る阿南に風未香は、ここの会計は自分が払うと申し出ます🐒。経費で落とせますから大丈夫です😄。
その後風未香は金崎とのアポを取り付けましたが、阿南は約束の時間に現れませんでした。電話をしても通じなかったので、風未香はまた喫茶店に押しかけます💨。阿南はすっぽかしてごめんねと言う一方で、風未香に会いたくなかったのだと正直に伝えました。風未香は大いにショックを受けます。え?どうして??😨
例えば名刺かな。資格はたくさん持っているけど名刺どころか肩書きもないの。安定した仕事に就きたかったけれど、安い時給で目いっぱい働いて生活に追われていたら、こんな歳になっちゃった💦。
それでも阿南は「元教え子」の出現に、最初はとても喜んだそうです。でもそのうちに、彼女と自分を比べて自分が情けなくなってしまったそうなのです。私には失敗するチャンスすらなかった。あなたは何にも悪くないのにね。
自分に都合の良い解釈
その後風未香は、須川の最後のコメントをバッサリカットしてまとめたものを須川に送りました🐒。須川はカンカンになって編集者に電話をかけてきます💢。あれでは私の言葉が骨抜きになっていると思わない?風未香は、須川の発言は過激過ぎて共感を得られないと思ったと答えました。私はね、わざと過激に発言してるの!当たり障りのないことだけ書かれたんじゃ、怒りなんか伝わらないし、何も変えられない!😡
宝子も風未香に、なぜあの部分をカットしたのか、と尋ねました。風未香が自分の判断を伝えると、宝子はキッパリ断言します。それは読者の共感じゃなくてフーミンの共感でしょ?そして宝子は思いっきり風未香の足を踏んづけました💢。風未香が痛い痛いと騒いでも止めません。うるさい!静かにして!!👊
って言われたら黙っていられる?痛いって叫んでいるのに。なかったことにされそうなのに😠。
風未香はようやく宝子から「他人事」だと言われた意味が分かりました😨。風未香は須川の痛みを理解しようとしていなかったのです。踏まれ方も踏まれた数も全然違う。風未香は阿南の言葉を思い出します。"私には失敗するチャンスもなかった"
風未香は再度宝子とともに須川に会いに行きました。そこで風未香は「黙って頑張って我慢している人の方が偉い」という発想が心のどこかにあったと認めます。声にならない人の声を拾いたいと言いながら、叫んでいる人から距離を置いてしまった。叫び声の中の気持ちを聞き取ろうとはしなかった😔。
そこで宝子は、須川の過去も一緒に記事にして良いかと切り出します。須川は高校時代、かなり内気だったのだそうです。それがなぜ今「野良犬」として吠えなければならなかったか。宝子はそこを多くの人に知ってほしいと思ったそうです。須川が野良犬になったのは自分のためだけじゃなく、また氷河期が来た時に若い人に同じ思いをさせてはいけないとの正義感に駆られたからなのだそうです👍。須川はようやく風未香を許してくれました🍀。
エピローグ
風未香は須川の言葉のみならず、阿南のことも記事にします。一度チャンスを逃せば取り戻せない社会のままであってはいけない。努力が報われない世の中であってはいけない。阿南にはメールを送り、私の記事を読んでほしいと伝えました。先生はこれからもずっと私の先生です💖。
その後阿南から金崎に連絡が入り、話を聞いてほしいと相談されたそうです。
金崎からのメールに胸を熱くしていた風未香に、宝子が肉まんを差し入れしてくれました🎶。風未香は思わず泣き出します😭。
感想
就職氷河期ってつい最近までそうだった気がしますが、もうそれが終了して15年以上が経つのですね。そりゃあ知らない世代がいるはずです。でもそういう自分も、そこで一旦弾かれた人々がいまだにそのままで苦しんでいるとは存じませんで、認識不足でした😔。風未香の言う通り、いつからでも、何度でも、努力が報われる社会であってほしいものです。