アンサング・シンデレラ あらすじと感想 第4話 薬剤師は医者の奴隷ではない
石原さとみさん主演の医療ドラマ、【アンサング・シンデレラ】の4話では「ハク」こと羽倉の事情が明らかになりました。以下早速ネタバレです
。
ハクの父=龍一(菅原大吉~斎藤監物@小吉の女房)が萬津総合病院に入院してきました。龍一は脳神経外科の権威だったらしく、息子のハクはそんな父の期待を一身に背負って医者を目指していたのですが、二浪したために医師は諦めて薬剤師になったのだそうです。でもそれも、幼いころから「スーパーヒーロー」だった父に憧れて、どんな形であれ患者を救いたいと切望したかららしい。
でも龍一はそんな息子の気持ちは理解できず、
薬剤師など医師の奴隷だ!
と斬り捨てました。それ以来ずっと音信不通だったらしいのを、今回ハクが交通事故を起こしたのをきっかけに、妻の志帆(宮田早苗~景山澪奈の母@3年A組)がハクに黙って龍一の病院に入院させたのだそうです
。
その龍一もまた葵の鋭い観察眼により救われることになります。なんと龍一は軽い認知症の症状を呈していたのだそうです
。事故に遭ったのも、アクセルとブレーキを踏み間違えたからなのだそう。
葵は脳の検査を受けてほしいと伝えますが、龍一は、薬剤師の分際で医師に指示をするとは生意気だ!と怒り出してしまいます。特に自分はこれまでに何人もの患者に「認知症」を告知してきたので、認知症については誰よりも詳しいと自負していたようなのです
。だからこそ、検査を受けて確定診断をされるのが怖かったらしい
。
葵は志帆から、龍一が高血圧や頭痛に苛まれるようになり、それ以来物忘れがひどくなったと聞き出しました。問診では、薬は何も飲んでいないと語っていましたが、本当は、葵も驚くほどのかなりたくさんの薬を服用していたそうです。龍一は自己判断でその都度薬を出しては服用していたので、志帆はそれらをすべて書き留めておいたそうです。
葵は、たくさんの薬を服用することによって認知症に似た症状が出るという論文を読んだことがあると言って、ハクも誘い、片っ端から論文を調べなおしました。これには瀬野も協力してくれます。それでようやく龍一の症状はポリファーマシーによるものだと判明しました
。実際に脳の検査も行ったところ、萎縮や梗塞巣などの異常は一切見られなかったそうです
。
鼻っ柱を折られた龍一は、薬の説明をする葵に向かって嫌味を言います:
医者のまね事して気が済んだか?
この言い草はないですよね~。葵は「薬剤師は医者の奴隷ではない」と反論し、薬剤師の役割は、医師とともに薬をダブルチェックすることだと説明します。今回の多剤服用も、薬剤師がチェックしていたら防げたはずです!
そもそも、医者のくせに多剤服用を知らないほうが勉強不足だと個人的には思いまするが。そんなんでよく関東薬事連盟の監事が務まりましたね
。
実際ハクも別件で、子どもが服用する量にしては多いと医師に疑義照会したのに、経験上何の問題もないと却下されていました。が、実際に患者に副作用が出ると、医師はハクのせいにします
。も~これは悔しかったな~
。なんなのあのク〇医者はっ
!!池松ですよ、池松
。
葵はハクにもっと強く言うべきだと主張しますが、ハクは「医師には逆らえない」と弱腰でした。でも葵は、判を押したからにはハクにも責任はあると言い渡します。患者のためを思うなら、立場を超えてもっと頑張るべきだったのだと。
龍一はハクに、もう一度医者を目指してみないかと言い出しましたが、ハクは、薬剤師も患者を救うことができる、ここにはそういうプロがいる、と訴えました。(自分もそんなプロになりたいのだと
)
一方では、祖父が胃がんのステージIVで入院中なのを受けて、孫娘が摂食障害になったケースも紹介されました。ふたりは、葵がよく行く娘娘亭の家族なのです。店主の辰川秀三(迫田孝也~松島潤@10の秘密)は母もガンで亡くしたそうで、父の太一(伊武雅刀~真野徹@ディアペイシェント)には告知しないことにしたのですが、真実を知らずに頑張ろうとしている祖父の姿が、娘の樹里には辛くてならなかったらしい。
告知の問題は本当に難しいですよね。自分自身は告知してほしいと思いますし、まだ手の打ちようがあるなら別ですが、病が分かってすぐに余命宣告された母の例を思い出すと「告知しない選択」もあってよいのではないかとつくづく思ったものです。真実を知らないとかえって疑心暗鬼になるというけど、母の場合は、まあ主治医が悪かったのですが(キッパリ
)、常に「死」を目の前に突きつけられて、それだけで精神状態が不安定になって大変でした
。それなら苦しまないようにだけして、毎日心穏やかに=普通に生活できた方がどれだけ良かったか、と今でも確信しています。
とは言え、若くて純真な樹里が苦しむ気持ちも理解できます。そんな樹里に葵がいてくれて本当に良かった。
大丈夫だよ。私がついてるから。
今の医師たちは「大丈夫」という言葉はなかなか口にしませんよね。責任を取らされたら困るからという理由です。でも患者やその家族は、たとえ大丈夫じゃない状態であっても、時には大丈夫という言葉が聞きたいものなのです。それを理由に責めたりはしません。今のマニュアル化した社会では難しいかもしれませんが
。
またドラマでは、七尾がこの太一を治験に利用しようとしていたようです。それも本人の希望があればよいけれど、そうでないなら、勝手に進めんでほしいわ
~患者は医者のモルモットではありませんから
。医学の進歩に貢献しろなんて、今苦しんでいる患者からすればク〇くらえですよ
。
「アンサングシンデレラ」は来週の放送も楽しみですね。
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