アンサング・シンデレラ あらすじと感想 第5話 第二の患者

石原さとみさん主演の医療ドラマ、【アンサング・シンデレラ】の5話は「第二の患者」です。本当に、病気になった患者も辛いけれど、それを見守る家族も同じくらい辛いですよね。以下ネタバレのあらすじですアンサングシンデレラのネタバレ感想行きますよ~( `ー´)ノ

病気のことは太一には言うなと口止めする秀三に、樹里は激しく反発しました。黙っているのは祖父のためではなく、秀三自身が怖いだけだろうと指摘したのです。

葵は、以前秀三がバッティングセンターで無理をしたために肉離れを起こしたと書いていたのを思い出し、自らも出かけて行きました。バッティングセンターは、秀三と太一親子の思い出の場所なのだそうです。秀三は葵の訪問に驚きながらも、太一と樹里のことは自分が何とかすると語りました。葵はそんな秀三を心配します。

第二の患者という言葉をご存じですか?

大切な家族が苦しんでいる姿を見るのは、時に患者本人と同じくらいに辛いものだが、その気持ちを溜め込まずに吐き出すことが大事だというのです。吐き出せる場所があることが大切です

葵に話を聞いてもらった秀三は、ついに、太一に真実を打ち明けて抗がん剤治療(キモセラピー)を受けてもらうことにしました。

樹里も呼んで3人で主治医=畑中聡(長谷川朝晴~伊達政宗@真田丸)の説明を聞きます。太一は胃がんのステージIVだったそうで、治療の選択肢は抗がん剤に限られました。

~ドラマではキモセラピー(chemotherapy)のことを略して「ケモ」と呼んでいました。医療従事者間で使うのであればなんら問題はないのですが、ふと、母の主治医が、実にエラソーに「ケモ」を連発していたのを思い出して嫌な気分になりました。がん治療に置いては、やはり、根治には手術という印象が強いですから、その手術=根治がムリだと化学療法を説明するのに「ケモ」と略す無神経さには大いに腹が立ったものです

太一は、最初は驚いたもののすぐに納得し、余命を尋ねます。主治医は、何もしなければ3か月だと答えました。実際妻が抗がん剤治療に苦しんでいたのを知っている太一は、3カ月もあれば十分だ、と笑います。俺は店の厨房で鍋振って一緒に飯が食えればそれでいいから

でも樹里が納得してくれません。おじいちゃんの気持ちは尊重したいけど、でも3カ月なんて嫌だよ!

葵は、抗がん剤治療を受けながらでも家に戻ることはできると説明しました。その夜は家族で話し合ったらしく、翌日太一は抗がん剤治療に同意します。そこで太一は樹里と一緒に「やりたいこと」を書きだしました。その中の1つが、退院して家族みんなで野球を見に行くこと

その抗がん剤の準備をしていたのは刈谷です。刈谷はがん薬物療法認定薬剤師の資格を持っているのだそうです。その様子を見ていた相原はがぜん興味を示しました

相原は抗がん剤の調製のみならず、太一の治療に対しても大いに関心を抱きます。実際に抗がん剤治療をしている患者さんに付き添って勉強したいという相原は、数年前の葵そのものだったようです。

太一の治療は順調そのもので、元気そうな太一を見た相原は、もしかしたら治るかもしれない、と喜びました。

そこへ七尾が「治験」の話を持ってきました。それを使えば生存期間が6カ月も伸びたという症例もあると聞いた相原は大喜びですが、葵は手放しでは喜べません。私は反対です

前述したように、患者や患者の家族にとっては「化学療法」ですらマイナスイメージなのに、そこに「治験」などと言われたら傷つくのは当然ですよね。もはや助からない患者が藁にもすがる思いで試すもの、という印象が強いです。もちろん、それで結果が出る方もおられるでしょうが、その逆にひどい副作用で亡くなる方もいるはずなのです

畑中が、患者に最も近しい葵の意見を尊重してくれたのは幸いでした

一方の相原は何とか希望を持ってほしいとオプジーボの症例を持ち出します。オプジーボは免疫療法の一種で、一時は奇跡の療法とまでもてはやされました。実際うちの母もこれを希望しましたが、その時の主治医は明らかに、何とかしてオプジーボを断念させようと必死でした。高齢の母が高額なオプジーボを使えば保険制度がひっ迫するとでも言わんばかりで。あ~このドラマを見ていると、不本意ながら、嫌なことをいっぱい思い出しちゃいますわ

余談はさておき、太一は無事退院することになりました。予定では明日野球の試合を見に行くことになっており、その夜は3代一緒に同じ部屋で寝たそうですが、その翌日、高熱を出して緊急搬送されてきます

主治医は、まだ大丈夫だから抗がん剤を続けようと語りましたが、太一はもう疲れ果てていました。葵を呼んで、もうこれ以上の積極的治療はしたくないと打ち明けます。これから何かあっても延命はしないでほしい

葵はなんとか思いとどまらせようとしましたが、太一の決意は変わりません。

最後にどう生きるかってことは、私が決めることでしょ

家族に泣き言は言わないと決めて生きてきたから子どもたちには言いづらいが、本当はかなりしんどいのだと打ち明けられた葵は、それ以上何も言えなくなります。痛みも副作用もないと言っていたけれど、本当はかなり辛かったようですね

それで今後は医療用麻薬を使った緩和ケアに重点を置くことになりました。葵は相原に、患者や家族が「見放された」と感じないように、言葉選びには重々注意するよう言い渡します。この心遣いが本当に嬉しいですね

でも相原は激しく食って掛かります。薬は病気を治すためにあるんじゃないんですかっ!私は諦めたくありません!!

葵もキッパリ反論しました。諦めてなんかいないよ!

刈谷も葵を援護してくれます。痛みを取り除いて穏やかに過ごせるようにするのも立派な治療の一つ

葵はこれを「冷たい」と感じたようですが、それは、本当に苦しむ患者を見たことが無いからですよね。苦しい思いをしてもその先に回復が待っているなら耐えられるけど、そうでないなら、痛みに耐えることだけで時を過ごすのではなく、人間らしく過ごしたいと考えるのは当然です

その時間をより有意義に過ごすため、葵たちは太一が最も喜ぶだろう企画を計画しました。病院の裏のグラウンドで草野球の試合をすることにしたのです。秀三は病院の厨房を借りて、太一が食べたがっていた娘娘亭のチャーハンとギョーザを作ってきました

そもそも野球を知っているのか、なメンバーばかりで、見ているだけで可笑しかったその試合に大笑いした後、秀三は太一を病室に運び、これまた太一が飲みたがっていた紹興酒を取り出しました。親父、実はこれもあるんだ

秀三と太一は紹興酒を飲みながらあれこれ語り合います。こんな風にふたりでゆっくり時を過ごしたのは、秀三が幼い日、ふたりでキャッチボールをして以来のことかもしれません

ああ今日は楽しかった。昔からず~っと。俺の人生何もかも楽しかった。ありがとうな秀三いい人生だったね

それからしばらくして太一は急変し、家族が呼ばれました。それを聞いた葵は、他の患者のこともあると仕事に集中しようとしますが、販田が許可してくれます。行っておいで。他のみんなも大丈夫だから、と背中を押してくれました。それで葵は相原を伴って病室に駆け付けます

太一が息を引き取った後、相原はやるせない気持ちでいっぱいになりました。秀三にも軽々しく治るなどと言ったことが悔やまれてなりませんが、でも秀三は、そう言ってもらえてうれしかったと言ってくれました。

そして葵も、その気持ちを誰より理解します。悲しいし悔しいのはみんな一緒。何かもっとできたんじゃないかって、これからもずっと考え続けるしかない。患者さんのために自分に何ができるのか、その覚悟を忘れないでほしい。

刈谷もそんな葵の気持ちを代弁してくれます

葵は患者さんだけじゃなくてその家族も救おうとする。それが薬剤師の仕事だと考えてる。だからずっと太一さんの治療だけじゃなくて家族との時間も大切に考えていた。だけどね、太一さんの命を救いたいって一番思ってたのはあいつだよ。悔しいよね、ホントに。

ずっと平静を装っていた葵に瀬野が、太一からのプレゼントだと言ってサインボールを渡しました。そこには「ありがとう」と書かれています精一杯の感謝ですね。葵はこれを受け取ると、たまらなくなって隣の部屋に行き、しゃがみこんで泣き出しました。そこに仲間たちが葵を励まそうとやってきますが、瀬野は静かにそのドアを閉め、葵は帰ったと嘘をつきます

その瀬野も、実母を救えなかったという苦悩を抱えているようですね。どうやら治験に参加したようですね

それを持ち出して、薬剤師が患者に寄り添っても意味が無いと嫌味を言う七尾に瀬野は、葵のしていることは無駄ではない、と言い返しました

その葵もまた、幼い頃に妹が病気(小児がん?)になって辛い思いをしたようです。その妹が亡くなった時、ずっと側にいてくれたのが、薬剤師(田中美里)だったのだそう。あまりにも無力で泣けなかった葵が、それでようやく涙を流したのだそうです。そして今は葵が、樹里の側に付いています。背中合わせでベッドに座ってくれたら、その背中の温かさが心を癒してくれそうです

こんな薬剤師さんがいてくれたら、と毎回心から切望しています。来週の放送も楽しみです

アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋 Blu-ray BOX【Blu-ray】 [ 石原さとみ ]
関連記事
 0

COMMENTS

アンサング・シンデレラ