アンサング・シンデレラ あらすじと感想 第8話 在宅医療
石原さとみさん主演の医療ドラマ、【アンサング・シンデレラ】の8話はまた実にしんどい視聴となりました。おばさんも3年前に母を自宅で看取ったからです。母も末期がんでしたが、痛みはほとんどなかったようなのはそれだけでも十分幸いだったのだと改めて痛感させられました。以下早速ネタバレです
。
在宅介護
家族の選択
荒川の妻の泰子(大塚良重)が末期がんで在宅介護を受けることになりました。8年前に大腸がんを手術したのがこの度再発し、入院治療をしていたところ、泰子自身が家に帰りたいと願ったそうです。
販田の画策
販田は、荒川はマジックの修行のために休むと皆に伝えましたが、裏では、これまた皆に黙って、荒川が利用している在宅医療に特化した薬局に依頼し、薬剤部から葵を研修に向かわせるよう根回ししました。葵は前々から在宅医療に多大な関心を寄せていたらしく、在宅医療と言えば必ず食いついてくると踏んだらしい
。それほど荒川のことが心配だったのですね
。
案の定、葵はまんまと引っかかってくれました。葵の代わりには瀬戸が薬剤部と救急を掛け持ちしてくれることになります。
在宅医療の現場
葵が研修先の薬局へ行くと、小野塚も同じ研修に来ていました。そこへ研修先の代表=仁科敦夫(東根作寿英~相馬登@ぼんくら)が現れて、一緒に患者の家へ行こうと誘われます。患者から頼まれた薬を届けに行くところだったのだそうです。
その薬は特に緊急性を要するものではなかったらしいのですが、仁科は患者の様子を見るためにも立ち寄りたかったようですね。高齢女性のその患者は仁科に電球を代えてくれるよう頼みました。本当に急いでいたのはこの用事だったかもしれません。病院は「退院」がゴールですが、在宅介護は「人生そのもの」に関わると言っても過言ではありません
。
それからふたりは荒神の家に連れていかれました。末期がん患者で看取りも視野に入れていると聞いたふたりは大いに緊張します。葵は小野塚に、こういうことは何度経験しても「慣れる」ということはないのだと説明しました。
そこへ荒神がやってきます。葵が来ることは荒神も知らなかったようですが、期待通り、大いに喜んでくれました。荒神夫婦はもうじき銀婚式を迎えるそうなのですが、ふたりは年に一度の結婚記念日には必ずふたりで「マジック」をしながら祝うのが習慣だったらしい
。だから泰子は今年もその日を家で迎えたかったに違いありません
。
ところが、泰子の病状は思わしくなく、残された時間はそう長くありませんでした。あまりにも泰子が痛がるので、荒神は「鎮静」を頼もうと決意します。鎮静とは、モルヒネとは違うミダゾラムなどを使い、患者の意識を低下させることよって苦痛を取り除く処置を指すのだそうです。
でもそうなったら、もう話すことも、荒神のマジックを楽しむことはできなくなるかもしれません。
家族の覚悟
一旦は鎮静を考えた荒神でしたが、いざ点滴をしようとしたらその覚悟が揺らぎました。結婚記念日は明日に迫っているのです。あと1日頑張ってくれたら~そんな欲が邪魔をし、荒神は主治医に鎮静を延ばしてもらうよう懇願しました
。
その夜葵は、介護用品や食料を持って荒神の家を訪れます。小野塚は、それは薬剤師の仕事ではないと指摘しますが、葵は、ただ側にいて話を聞くだけでも心が休まることがある、と出かけて行きました。小野塚もまた、やっぱり荒神のことが気になってならず、娘娘亭のチャーハンをテイクアウトしてやってきます
。ちょうど葵が手作りチャーハンを作っていた時でした
。
荒神は二人の好意をありがたく受け取ります。ふたりは明日も「助手」を務めると約束して帰っていきます。
ところがその明日~結婚記念日に泰子の容態はまたしても急変しました。荒神は、そのあまりの痛がりようを見ていられず、今度こそ鎮静を施してほしいと依頼します。どうか泰子さんを 楽にしてください
。
点滴をして穏やかな寝顔になった泰子の前で、荒神はふたりの助手を従えてマジックを披露しました。泰子さん、披露宴のときにやった手品だよ。僕のアパートで一緒に練習したの覚えてる?すごくウケたよね!懐かしいよね~!
マジックを終えた荒神は、ふたりのおかげで良い銀婚式が迎えられたと感謝しました。うちに戻ってきてよかったね。本当にありがとうございました
。
小野塚は、患者の家族から感謝されたのは初めてだったそうで、このまま「らしくないこと」をしようと思う、と決意表明します。きっと瀬野の勉強会に行くのですね~。
薬の使い回し
その瀬野が、アレルギー性鼻炎の父親が、同じくアレルギー持ちの息子に自分の薬を飲ませていることに気づきました。母親はお産を控えて入院中なのです。担当は相原でしたが、相原は全く気づきませんでした
。瀬野から母親に確認するよう言われて初めて動き出します。案の定、父親に直接確認したところ、息子に薬を飲ませていると白状しました。
でも問題はそれがいけないことだとまったく思っていなかったことです。父親の薬にはステロイドが入っていたそうなのに、担当医や薬剤師からステロイドの危険性についての説明はまったくなかったんですかね
。
かくいうおばさんもアレルギー体質ですが、ステロイドの怖さを知ったのは大分後のことでしたからね。「適量を守れば問題ない
」から危険性を説明する必要は無いと考える医療従事者が多いことには愕然とさせられます
。危険性を伝えたら治療をしなくなるという理由からだそうですよ
。あ、また文句になっちまった
。
結局は瀬野が割って入って父親に説明してくれました。父親も、自分が飲んでいるのだから安全だと思っていたようで、子どもには危険なのだと聞いて大いに驚いていたようでしたね。子どもには危険なんじゃなくて、大人にとっても実は危険なのでござるよ
。
まとめ
その瀬野が血を吐いて倒れました。吐血なのか喀血なのか~いずれにしても早く治療しなくちゃいけませんね。重篤な病じゃないと良いのですが。この瀬野も葵もみんなも、命を削って患者のために尽くす姿には感謝の言葉が見つかりません
。せめて販田には、彼らにより良い労働環境を提供できるような根回しも頑張ってほしいものです
。
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