エール ネタバレと感想 第18週(86~90話) 戦場の歌
朝の連続テレビ小説、【エール】の18週目は「戦場の歌」です。これはまたなんとも切なかったですね。以下早速ネタバレです
。
恩師との再会
裕一が慰問に向かったのビルマでした。そこで裕一はラングーンという比較的平穏な町に留め置かれたそうですが、それでも、少しずつ、軍の威勢の良い発表が真実ではなかったことに気づかされます。慰問に同行した洋画家の中井や作家の水野は、戦地における真実を日本に知らせたいという使命感に燃えていました。唯一裕一だけが、慰問の目的はあくまでも音楽で兵士を励ますのだと思い続けていたようです
。
ある日、裕一はビルマに藤堂がいると教えられました。藤堂は事あるごとに裕一の話をしていたそうです。
裕一は藤堂に会いたいと思う一方で、激戦地に足を運ぶことをためらっていました。すると、先に前線に行って戻ってきた洋画家の中井が、裕一の痛いところを突いてきます
。裕一は、自分が戦争に協力したことが正しいかどうか不安に思っているのではないかというのです
。
裕一はその発言に大いに反発し、藤堂のいる前線に行きたいと志願しました。せっかくだから現地でコンサートを開こうと、手あたり次第に楽器を集めて向かいます。
藤堂は大喜びでかつての教え子を迎えてくれ、そんなことだろうと思って人材も集めてある、と嬉しそうに答えました。楽器経験者だという兵士たちは、一様に、裕一の作った歌を褒めたたえます。それを裕一とともに演奏できるなんて光栄だと言わんばかりに目を輝かせていました。藤堂はボーカルを担当することになります。
裕一は大分前に前線に視察に出かけた水野から「ビルマ派遣軍の歌」という詩を預かってこれに曲をつけていました。せっかくだからこれを1番に演奏しようと提案すると、彼らは「我々のためにありがとうございます!士気が上がります!!」と喜びます。
実際に練習をした後、兵士たちは夢のようだと語り合いました。裕一の曲に勇気をもらって出征した者も数多くいるのだと言います。藤堂も嬉しそうに歌っていました。
その夜兵士たちは、このような素晴らしい時を過ごしたら、失うものができて死ぬのが怖くなったと打ち明けました。藤堂は、俺も怖いと同調し、あと少しの辛抱だと励まします。そして、せっかく裕一が来てくれたのだからと、皆で「暁に祈る」を歌いました。裕一の表情は複雑です。皆歌いながらすすり泣いていました。
翌朝藤堂は裕一に妻の昌子に宛てた手紙を託しました。俺が死んだら、これを妻に渡してくれと語る藤堂に、裕一は、必ずいきてもどってきてほしいと訴えます。兵士のひとりは裕一に、イギリス人からの戦利品だと言って缶詰を差し出しました。裕一はとてももらえないと断りましたが、兵士は聞きません
。
辛い現実
それから演奏会を始めようとした矢先、敵の襲撃が始まりました。藤堂は裕一を車の下に押し込んで、裕一を守ってくれます。が、仲間のもとに戻るとすぐに撃たれてしまいました
。裕一は、勇気を振り絞って外に飛び出し、藤堂を引きずって物陰に運びます。その間にも仲間たちは次々と銃弾に倒れました
。
先生!先生っ!!
藤堂は、名前を呼ぶほかには何もできずに苦しんでいた裕一に、すまんと詫びました。俺のせいで。裕一は大きくかぶりを振り、僕は自分の意思で来たのだから先生のせいなどではないと伝えます。藤堂は、手紙を頼むと念を押し、最後にお前に会えてよかったと微笑みました。昌子と憲太を頼む。もう一度会いたかった
。
裕一は嫌だ嫌だ!と叫びました。僕は何も知りませんでした。何も知りませんでした。ごめんなさい
。
なんとか生き残って様子を見に来てくれた兵士は、知らなくて良いこともあるのだ、と慰めました。裕一は言葉にならない声を上げ続けます。
ビルマでの日本軍の作戦は中止となり、裕一は日本に戻ってきました。
福島へ
その頃、音と華は、まさの具合のこともあって福島に疎開していました。裕一は、昌子に手紙を届けるために福島にやってきます。昌子は、藤堂は裕一に自分の人生を託していたのだと涙します。昌子もまた藤堂と同じように「もう一度会いたい」と泣きました。
辛い報告をした裕一は実家へ行き、その夜家族と時を過ごした後はすぐに東京に戻っていきます。裕一は自分に楽しい時を過ごすことを禁じていたようです。
焼け焦げたハーモニカ
弘哉の母が、これだけが戻ってきたと言って真っ黒に焼け焦げたハーモニカを持って訪ねてきました。黙って涙を流す彼女に裕一は掛ける言葉が見つかりません。弘哉を戦争に駆り立てたのは裕一の作った若鷲の歌だったのです。疎開から戻ってきた華に弘哉の戦死を伝えると、華は大声で、弘哉君に会いたい!と泣き叫びました。
大義を失って
それから裕一は、ただひたすら軍のために作曲をし続けました。戦況が悪化すればするほど、国民の士気を高める歌が必要だと急かされたのです。裕一は何も言わずにただ黙々と書き続けました。そこへ鉄男がやってきて、藤堂の弔い合戦のために詩を作ってきたと語ります。でも裕一は、戦争に勝つことが果たして良いことなのか分らなくなった、と答えました。
終戦
豊橋では五郎が特高に捕まって思想の自由を訴え続けていました。が、それからしばらくして豊橋に空襲がやってきます。梅は原稿を取りに戻りましたが、岩城のおかげでなんとか一命をとりとめました。光子が焼け跡を彷徨いながら、賛美歌の「うるわしの白百合」を歌っていたのがなんとも印象的でした
。
そしてついに終戦を迎えます。
感想
この終戦を機会に裕一は一切作曲を辞めたそうです。が、その一方で劇作家の池田二郎(北村有起哉~轟平九郎@蛍草)が「鐘の鳴る丘」の脚本を書き上げていたようです。これでようやく裕一は、本当の意味で国民を喜ばせる音楽作りに向かっていくのですね
。
来週の放送が楽しみです。
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