エール ネタバレと感想 第19週(91~95話) 「鐘よ響け」に涙止まらず
朝の連続テレビ小説、【エール】の19週目は「鐘よ響け」です。これはまた実に感動的なエピソードでございましたね。最後の「長崎の鐘」を聞いたらもう涙が止まりませんでした。以下早速ネタバレです
。
試練
池田が裕一を訪ねてきました。一緒にラジオドラマをやろうと誘います。池田は裕一の「愛国の花」が大好きで、初めて聞いた時には心が震えたと熱弁をふるいました。それ以来いつかこの人と仕事がしたいとずっと思っていたのだそうです。その話を聞いていた花は良い話だと喜び、きっと亡くなった弘哉も裕一の曲を聞きたいと思っているに違いないと励ましますが、裕一はどうしても自分を許せません
。
裕一の家が焼けずに残っていたことも非難の的になっていました。作詞家は「戦犯」の汚名を着せられているのに、裕一は作曲家だというだけで責めを免れている、戦争で稼いで何のお咎めもない恥知らず、と言わんばかりです
。
それでも裕一は、一度だけ譜面に向かったことがあるのだそうです。でもすぐに藤堂や兵士たちの様子がまざまざと浮かんできて耐えられなくなり、譜面を破り捨ててしまったらしい。
再起へ
鐘の鳴る丘
池田がずっと温めていた「鐘の鳴る丘」というラジオドラマの放送がようやく決定しました。それで池田はまたしても裕一に曲作りを頼みに来ます。池田は、裕一の曲は「人の心を勇気づける」と訴えますが、裕一は、そのせいでたくさんの人が戦争に向かってしまったのだと反論しました
。
戦争の責任をすべてひとりで背負うおつもりか?
裕一は、ついに正直な気持ちを吐露します。かつて皆が裕一の歌に勇気づけられたと言う度に、裕一は興奮を覚えていたというのです。これが許されることですか!?
それを聞いた池田はますます裕一しかいないと確信しました。戦争で苦しんだ裕一だからこそこの曲を書いてほしいと訴えます。痛みを知った者にしか書けない音楽が、今の日本にはどうしても必要なのです
。
苦しんでいる子どもたちを励ましてください。
裕一はようやく、池田が置いていった「とんがり帽子」の歌詞に目をやりました。そして音に、まだ苦しいけど、やってみようかな、と語り掛けます。ずっと心配していた音は大喜びです
。
裕一はまず池田が描いた主人公たち=戦争孤児の様子を見て回ることにしました。が、帰宅して譜面に向かう度に、苦しい思い出が蘇ってきます。ある夜裕一はどうしても書けないと音に泣いて訴えました。音は裕一を抱きしめ、もう自分を許してあげて!と叫びます
。
裕一はその後も泣き続けたのか、翌朝音が様子を見に行った時には疲れ果てて眠っていました。が、曲は見事に書き上げたようです。
こうして、ラジオドラマ「鐘の鳴る丘」がスタートしました。戦後をたくましく生きる戦争孤児たちの物語は日本中の人々を励まします。最初は週2回だった放送が5回になったほどの大ヒットでした
。
長崎の鐘
池田はその後裕一に「長崎の鐘」という映画の主題歌の作曲を勧めました。原作者は永田武(吉岡秀隆~日出男@富士ファミリー)という被爆者の医師で、実際に被爆地でたくさんの患者を治療したのだそうです。永田自身も今は白血病で寝たきりの状態でした。
裕一は長崎に向かいます。そこでは、動けない永田に代わって妹のユリカ(中村ゆり~稲西結衣@未満警察)が実際の「長崎の鐘」を見に案内してくれました。皆で懸命に掘り起こしたその鐘は原爆に遭っても傷ひとつついていなかったそうです。
病床で裕一を迎えた永田は、自分も2度ほど戦地へ行った、裕一の歌をよく歌ったと語りました。それを聞いた裕一はうつむいて謝罪の言葉を口にします。それで永田は、裕一が「贖罪」の意味で作曲を引き受けたのだと察しました。そしてそれではいけないと伝えます
。
裕一はどうしてよいか分からなくなって悩み続けました。永田は「どん底まで堕ちればわかる」と言いましたが、裕一にはなかなか理解できなかったのです。
ある時、鐘が鳴るのを聞いた裕一は、その鐘がある広場へ向かいました。そこではユリカと子どもたちが嬉しそうに花を植えています。ユリカは裕一に、原爆が落ちた後、この鐘の音は「生きる勇気」を与えてくれたと語りました。それで裕一は、永田の詩に込められたメッセージが「希望」だと悟ります。永田はそう語る裕一に、希望こそがこの国の未来を作ると語りました
。
そして永田は、裕一が戦時中にしていたことは「人々を応援すること」だと指摘します。それは今も変わらないのです。
僕は皆を応援する歌を作り続けます!
これが「エール」に他なりません。裕一は東京に帰る列車の中で、一気に曲を書き上げました。歌手は、捕虜を経験したという山藤太郎を抜擢します。この「長崎の鐘」は裕一の代表作となりました。

豊橋にて
豊橋では岩城が亡くなり、馬具の仕事も無くなりました。そこで五郎は皮で「グローブ」を作ることを思い立ちます。光子は、これからは野球が日本を元気にする!と力説して融資を勝ち取ったのだそう
。
智彦の再起
将校だった智彦にはプライドがあり、なかなか仕事が長続きしませんでした。それでもある時、ようやく智彦は腹をくくり、ラーメンの屋台で修業をするのですが、そこへかつての同期、松川がやってきて、貿易会社を作ったから来てほしいと誘われます。智彦はラーメン修行を辞めてそちらに移っていきました。松川は「将校には将校に相応しい待遇がある」と智彦をVIP待遇で迎えたそうです。
戦争では負けたが、今度は経済で世界を見返してやるんだ!頼むぞ!!
闇市で何くれとなく智彦を応援してくれていた孤児は、またいつか登場するのでしょうか。
感想(おばさんからのエール)
長崎の歌はこれまでも何度か耳にしていましたが、今回初めてこの曲に込められたメッセージを受け取った気がしました。最初は物悲しい短調だったのが、途中でがらりと明るい長調に切り替わりますよね。あそこに一筋の「希望」を込めたのだとあらためて感動いたしました
。同じ福島県民として古関さんを心から誇らしく思います
。来週の放送も楽しみです。応援しています!
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