青天を衝け ネタバレと感想 第10話 栄一、志士になる
大河ドラマ【青天を衝け】の第10話は「栄一、志士になる」です。いつもなら、たぶん主人公の性別は関係なく、栄一になり切って盛り上がるところが、今回はめずらしくお千代の気分になってハラハラのし通しでした。
以下早速ネタバレです。
江戸へ
栄一は市郎右衛門に江戸に行かせてほしいと訴えました。市郎右衛門は、攘夷など百姓には関係のない話だと相手にしませんでしたが、栄一は別の角度から斬りこんできます。
関係なくない。物の値段が急騰している。麦は3倍、お千代やおっか様の作っている生糸も、異人がどんどん海外に持ち出しているために国内では手に入らない。俺は今この国がどうなっているのんか、どうしてもこの目で確かめたい!!
市郎右衛門は、農閑期にひと月だけなら行っても良いと渋々許可を出しました。
江戸の変貌
前に来た時はあれほど輝いて見えた江戸が、すっかり様変わりしていました。喜作は栄一を大橋納庵の思誠塾に連れていきます。
納庵は栄一に、江戸は呪われた、大地震で火の海と化した、ようやく天の怒りが治まったかと思いきや、桜田門で天下の大老が血祭りにあげられた、とまことしやかに語りました。納庵の弟子で片目を怪我していた河野顕三(福山翔大~Mr.エニシ@恋はDeepに)も納庵に続いて、これもすべては神の国に異人を入れた天罰だ、とのたまいます
。
栄一は、それなら神様はどうして天罰など起こしていないで、異人や病を追い払ってくれないのか、と尋ねます。河野は「神への冒涜だ」と激怒し、栄一を追い出そうとしました。納庵は一枚上手(の詐欺師)で、栄一の言うことももっともだ、神はもう今の日本に嫌気が差して助ける気になれるのだろうと説明します
。
水戸の一橋宰相が将軍であれば、このようなことにはならなかった。こうなったら我らが神風を起こすしかない!
ここでも「減らず口」扱いされた栄一に長七郎が声を掛けました。喜作は得意げに、長七郎には納庵も一目置いているのだと教えます。長七郎は、お千代やよしの話を聞くと、ちょっと羨ましそうに「いいなあ、嫁かあ」と語ると、後は一転して政局の問題について熱弁をふるいました。
草莽の志士
彼らは幕閣の中でも反攘夷派を「幕吏」と呼んで軽蔑し、その筆頭が安藤信正(岩瀬亮)なのだと栄一に教えます。安藤は今、公武合体運動を進めるために、皇女・和宮(深川麻衣~芹沢亜里沙@アノニマス)を家茂に嫁がせようとしていたのです。水戸と長州が手を組んで安藤を狙ってはいるものの、特に水戸は、斉昭が死んだ後は国が分裂してしまい、まったく頼りにならないそうです。
河野は、自分たちのような、しがらみのない「草莽の志士」(=名もなき志士)の方が動きやすい、と目を輝かせました。この河野はかつて堀利煕に師事していたそうで、この堀が安藤と対立の上自決したことから、ますます恨みを募らせていたものと推察されます
。真田は、早晩、惇忠や栄一たちも奮起する時が来ると励行しますが、河野は頭から「百姓」を馬鹿にしていました。栄一はこれにむかっ腹を立てる一方で、「草莽の志士」という概念にはひどく共感したそうです
。
俺も今日から「草莽の志士」になる!
血洗島村の渋沢家では、千代が、いやな胸騒ぎを覚えていました。栄一の留守中、千代はなかなか懐妊しないことで肩身が狭かったようですが、ゑいは、千代は、体は細いが誰よりも力強く働き者だと褒め
、問題は栄一だけだ
、と励まします。市郎右衛門も同意して笑いました
。
その栄一は、血洗島村に戻ってからも「草莽の志士」になることを諦めてはおらず、暇さえあれば惇忠の道場に通い、剣術の稽古をしていました。長七郎から真剣で巻藁を斬るよう勧められた際、河合に、お前に人は殺せないと嘲笑されてから、栄一の心に火が付いたようです
。
惇忠の家には日本各地から志士や脱藩浪士が立ち寄っては幕府のやり方に憤慨し、何とかして和宮の降嫁を阻止しようと算段していました。
花嫁行列と千代の妊娠
その和宮は京都から江戸まで中山道を通り、警護や人足を含めると3万人が50kmにもわたる行列でもってやってきたのだそうです。栄一のいる血洗島村でも、近くの「深谷」をこの行列が通るというので、また人足を出すよう命じられました
。
栄一は幕吏の陰謀だと憤慨しますが、その時千代が腹を抑えてうずくまります。そう、千代はついに身ごもったのです。栄一はそれでようやくまた家業に精を出し始めました。何かにつけて千代を気遣う栄一に、千代はホッとしたように微笑みます
。
栄一はそれでもこの国のことを憂えぬ日はなかったようですが、千代はそんな栄一や惇忠を誇りに思う一方で、市郎右衛門もそれと同じくらいに、村や家族を守ろうと考えている、それも国を思うことに負けないぐらい尊い、と称えました。さすがの栄一も、一言もありません
。
坂下門外の変
和宮を奪還できなかった納庵たちは大いに悔しがりました。河野はそれでも安藤を討つべきだと主張し、長七郎が刺客に抜擢されます。長七郎は死を覚悟し、血洗島村に戻ってきました。安藤を暗殺したら切腹するとのたまいます。
喜作は「武士になる」というその言葉に感銘を受けますが、栄一と惇忠は反対しました。たとえ安藤を殺したところで何も変わらない、幕府の根本を変えぬ限り、犬死だ。
長七郎は上州に身を隠すことにします。一方の納庵は、なんと慶喜に、ともに決起するよう書状を送りました。もちろん慶喜は無視します。そして河合はついに安藤を襲撃しました。その結果、河合と同志の計6名は護衛に斬り殺されてしまったそうです。納庵は捕らえられ、幕府は残党狩りに乗り出しました
。
その知らせを聞いた喜作と栄一は、長七郎を上州にやったのは正解だったと安堵しますが、その夜、長七郎がまだ村にいて、これから江戸へ行くと語ったのを聞いたと、作男の伝蔵(萩原護)が知らせに来ます。
長七郎が危ない!!
栄一は夜中に飛び出していきました。
感想
和宮の花嫁行列がそれほど豪勢だったとは初めて知りました。尊王攘夷に対抗するための公武合体運動の一環であるなら、逆にもっと倹約に努めたほうが人々の理解を得やすかったんじゃないですかね。「お上」のやることは、今も昔もどこかズレてちぐはぐでやんすね
。
拍手コメントをありがとうございます♪
Fさん、いつもありがとうございます(^^)/。
おっしゃる通り、女性陣が素敵ですね(^_-)。こん