赤い月青い太陽 最終回 ネタバレと感想 太陽と月の真実
~赤い月青い太陽の あらすじと登場人物、キャストはこちらからご覧いただけます🌹: 赤い月青い太陽 ネタバレと感想一覧 全20話~
キム・ソナさん主演の韓国ドラマ、【赤い月青い太陽】の最終回は「太陽と月の真実
」です。このテーマはズバリ「赦し」でしょうか
。
実は昨日ちょうど夕方の土砂降りでうまく録画ができていませんでした。最終回の録画に失敗したのはジャイアント以来です
。あの時は泣く泣く諦めましたが、今回は技があった=有料の配信を利用することができたので、なんとかまとめられそうです
。ノーカットなのでテレビとは違うシーンもあるかもしれませんが、そこはご了承くださいますようあらかじめお願い申し上げます
。
誘導
テジュは、ウンホと再会したのは偶然だったと語り、連続殺人犯の兄だからと言って殺人犯だと決めつけるのは単純すぎると嘲笑しました。それでジホンは「赤い涙」との対決を決意し、スヨンを部屋から追い出して監視カメラのスイッチを切ります。
これが敵の思う壺でした。テジュは、手にしたボールペンをカチカチ鳴らし、ジホンに催眠術をかけました
。ジホンは、ずっと抱いていた罪悪感に再び苛まれます
:
ウンホは子どもを虐待する悪魔を制裁しただけだ。ウンホがいたから子どもたちは助かったのに、そのヒーローを殺した自分は正しかったのか?
ジホンは涙を流し、はっと我に返りました。
テジュの持ち物からは何も証拠が出なかったため、結局釈放されてしまいます。でもジホンはテジュが赤い涙だと確信し、ウギョンにも気を付けるよう伝えました。
ジホンから、テジュがウンホの兄だと聞いたウギョンはさすがに迷います。20年来の付き合いなのに、なぜ先輩は弟のことを話さなかったのだろう?
そこへ赤い涙からメッセージが届きました。「妹の遺体を捜せ」
ウギョンはテジュに会いに行き、ウンホのことを聞こうとしますが、テジュは、そんなことより「妹の遺体を捜せ」と赤い涙と同じことを言いました。
が、そこでジノクが急変し、セギョンから骨髄移植を受けることになります。ウギョンから、ジノクが実母であると聞かされたセギョンは、いっそこのまま死ねばいい、と怒りを露にしますが、ウギョンは、このままジノクが死んだら真相が闇に消えてしまうと必死でセギョンを説得しました。ジノクもまたセギョンから「オンマ」と呼ばれたことで、ようやく手術に同意します。
真相 その1
セギョンの居場所
その一方でウギョンは、本物のセギョンが亡くなっているという前提で、ジホンに遺体の隠し場所についての助言を求めました。いつも目の届く場所に隠していた例があると聞いたウギョンはふと暖炉を思い出します。先日ジノクが暖炉の前に板を張っていたのも怪しいですよね
。
ウギョンは家の設計図を見ながら、セギョンの遺体は暖炉の中に隠されているに違いないと確信し、暖炉を壊しました。暖炉の下からは、色が褪せて変わり果てた「緑のワンピース」に包まれたセギョンの骨が発見されます。
ジノクの告白
ウギョンは手術を終えたジノクを家に連れ帰り、この遺骨を見せました。やはり、あの時冷たくなっていたセギョンは既に亡くなっていたのだそうです。ジノクは、お風呂を嫌がるセギョンを叱っただけだと語りました。死ぬなんて思わなかった。
ウギョンの父はセギョンが死んでいるのに驚き、その腕に虐待による痣があることに気づいたそうです。ジノクがセギョンを殺したと知った父は、これを隠すためにウギョンがショックで記憶を失っていたことを利用し、セギョンは祖母の家に預けたと嘘をついたのだそう。そしてセギョンの身代わりに、ジノクの実子を連れてきました。その子の本名は何だったのかしらね
。
〜2022年2月5日に再視聴して、ジノクの実子の名前が分かりました。ソンイです〜
子どもふたりを育てるのは大変なことだった。あなただってウンソを叩いたことがあるでしょう?あの子は運が悪かっただけよ!
ジノクは、死んだら苦痛など感じない、むしろ生きている自分の方が地獄だったとのたまいます。ウギョンがこれを責めると、今まで育ててやったのに、母親に対してその態度は何だ、と反論しました。母親ですって!?
地獄の扉
ジホンやウンホが心配していた通り、ウギョンの地獄の扉が開きます。ウギョンは手当たり次第に物を壊した挙句、金づちを振り上げてジノクを殺そうとしました
。と、その時、あの緑のワンピースの少女=本物のセギョンがウギョンの腕をつかみます
。ウギョンがしゃがみ込むと、セギョンはウギョンの涙にぬれた顔を小さな両手で包み込みました
。ウギョンはセギョンを抱きしめて泣き続けます。セギョン!セギョン!!
間一髪で地獄の淵から戻ってきたウギョンは、ジホンに電話をかけて来てもらうことにします。妹が見つかった、今目の前にいる。
ジノクは病院で取り調べを受けましたが、その罪は既に時効が成立していました。しかも、真実を知られたことで、以前よりずっと楽になったらしいのがなんとも皮肉です。
かつてテジュこと赤い涙はウギョンにこう語ったそうです。
死とは停止であるのに対し、生きるとは可能性だ。生きている者の罪は暮らしの中で消えていく。それでいいのか?本当に継母を許せるのか?
今ではすっかりわだかまりが消えて、実子であるセギョンやウンソと仲良くしているジノクを見るたび、ウギョンの苦悩は深まります。
スヨンの過去
また今回はスヨンの過去も明らかになりました。スヨンの母は優しい男性と再婚し、義兄ができたそうなのですが、その義兄には違法賭博の逮捕歴があったのだそうです。義兄は警察官であるスヨンに、警察のがさ入れ情報を教えるよう迫り、その度に暴力を振るわれたスヨンは仕方なく2度ほど教えてしまったのだそう。スヨンは他の刑事からそれを理由に怒鳴られていました。
その刑事に缶詰のパンツを賄賂に贈って話を聞きだしたジホンは、スヨンの義兄が、うずくまっているスヨンを足で蹴っているのを目にして反撃します。そんな兄の言うことは聞くなというジホンにスヨンは、家庭を守ろうとした実母から兄には逆らうな、黙って耐えろと言われて育ったと語りました
。
それでジホンは、次にその義兄と会う時は、必ず、ジホンかチャヌクを連れていくよう命じます。
怒りとの葛藤
一方のウギョンは、心にこみ上げる怒りを消せずに苦しんでいました。それを赤い涙が挑発します。あなたは親孝行な娘だ。このままでいいのか?後悔しないのか?
ウギョンの決意
ウギョンはついに決意します。赤い涙には「ジノクを殺す準備ができた」と知らせましたが、実際はその逆でした。ウギョンは、たとえ誰かを殺したいほど憎んでも、自分もまた罪深い人間だから、その相手を裁く資格などないと悟り、赤い涙を逮捕しようとしたのです。
真相 その2
終局
ウギョンは赤い涙の指示に従い、実家でジノクが一人になるよう仕向けました。そこへ赤い涙がやってきます。窓ガラスを割って家の中に入り、寝室のドアに手をかけた相手は、やはり、ユン・テジュでした。
生きていれば可能性がある。私はそれを選ぶ。
そこにはジホン達警察も待機しており、テジュ=赤い涙はついに逮捕されました。
よくやった。君は正しい。
テジュは、最後まで誘惑に負けなかったウギョンを称えます。
自白
ジホンの取り調べが始まりました。テジュは自分が赤い涙で、シワンの父を殺したことも素直に認めました。シワンとハナからは「アンチディフェンス療法」を用いて情報を引き出したそうです。
またウンホに関しては、数カ月前、ウンホがハヌルセンターの荷物を配達しに来た際、受領書にイ・ウンホと記入したことから、ウンホが弟だと気づいたそうです。
その後テジュは、10年ほど前からずっと気持ちが悪い夢を見て眠れないとクリニックを訪れたウンホから、その地獄のような体験を聞き、激しい怒りを感じたそうです。その時テジュは、その怒りと同時に、シワンやウギョン同様、虐待を受けたのが自分でなくてよかった、と感じたらしい
。
それからふたりは互いの怒りを共有し、子どもを虐待している大人たちに制裁を加えることにしました。つまり、赤い涙はふたりだったということですね。実行犯はウンホで、テジュは情報収集役だったのだそうです。ちなみにジホンを襲ったのは封筒を取りに出かけたテジュです。ウンホが亡くなってからも、テジュはテジュと同じ罪悪感に苦しんでいたウギョンとシワンだけは、何とか自分の手で助けたかったのだそう。
テジュはジホンに問いかけます。刑事さんはそんな大人たちを許せるのですか?
ジホンもまたウギョン同様、許せはしないが、自分に制裁を加える資格はないと答えました。
この「赤い涙」の事件はでも、ついに公表されることはありませんでした。テジュは経営難により犯行に及んだと報道されたそうです。以前班長が言っていたように、赤い涙が偶像化され、模倣犯が出てくるのを憂えての配慮でしょうか。
生きる意味
ウギョンは、ウンホが亡くなった港に花を手向けに行きました。そこへジホンもやってきます。ジホンは、ウンホのように子どもは好きではなかったが、ハナがジホンを変えてくれた
、と語りました。またウギョンは、相変わらずジノクは許せないけれど、それでも耐えているのは、おばあちゃん子のウンソのためだと語ります。これがテジュが指摘していた「生きていれば得られる可能性=赦し」なのですね
。
フィナーレ
最後は、このドラマのタイトルの意味するところが明かされます。ウギョンが「赤い月青い太陽」の絵本を読むシーンです。
月は真っ暗な夜が怖くて毎晩泣いていたそうです
。
「オンニ、怖いよ」
姉(太陽)は妹(月)を可哀想に思い、場所を入れ替わることにしました。それで太陽は青く変化して夜を照らし、月は赤くなって昼を照らすようになりました。そうして、赤い月は太陽に、青い太陽は月になりました。
とても象徴的で分かりにくいですが、姉が妹を思いやった結果、ふたりは幸せになれた、ということでいいんですかね。
その声をバックに、ウギョンは再び現れた小さなセギョンを愛おしそうに抱きしめました。
感想
「虐待」をテーマにしたドラマでしたが、その「虐待」も目に見えるものだけではない、子どもの人格を無視する大人の身勝手な行為はすべて虐待につながっていくのだと教えられた気がします。久しぶりにどっしり骨太で実に見ごたえがありました。