緑豆の花 あらすじと感想一覧

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緑豆の花(全30話)

所見

韓国時代劇、【緑豆の花】を視聴いたしました。ここでは「みどりまめ」と読ませていたようですが、韓国語の「ノクトゥ」には「りょくとう」の方が近いかもしれませんね。日本では「もやし」の原料としてお馴染みの植物です。このドラマでは、主人公が巻き込まれていく時代のうねり=甲午農民戦争の指導者のチョン・ボンジュン(全琫準)が「緑豆(ノクトゥ)将軍」と呼ばれていました。本来は、緑豆のように小柄だけれど、その志はとてつもなく大きいということから、このドラマでは大柄なチェ・ムソンさんが演じられたようです。

舞台は19世紀末の朝鮮〜列強諸国から開国を迫られていたこの激動の時代を象徴する5人の人物が主人公と言っても過言ではありますまい。

身分は中人で、両班には媚びへつらい、同じ中人や賎民には容赦無く金を搾り取ろうとする悪徳役人のペク・マンドゥク。彼には息子が二人おります。一人は先に生まれた庶子のペク・イガン。正室に子供が生まれなかった時は跡取りとして可愛がられたイガンも、正室が嫡子のイヒョンをもうけてからは「あれ」と呼ばれて奴婢扱いされます。イガンは、父が命じる汚れ仕事を一手に引き受け、その乱暴ぶりは民からも恐れられ&忌み嫌われていました。

一方でイヒョンは温和な性格で優秀だったため、いつかは「宰相の父」になりたいという夢を持っていたマンドゥクは、イヒョンを日本に留学させ、科挙を受けさせようとします。マンドゥクはこうして二人の息子をはっきり「差別」していましたが、イヒョンは、腕っ節が強くて頼もしいイガンを「兄上」と呼んで慕っていました💜。その母で奴婢のユウォルのことも「チャグノモニ」と呼んで敬っていたほどです。

そんなふたりの兄弟の前にふたりの人物が現れます。一人はいつか大商団になるのを夢見ていたソン・ジャイン。いかにも商人らしく、利益を得るためなら敵の日本人とも平気で取引していました。そしてもう一人は「東学党」の接主のチャン・ボンジュンです。彼はマンドゥクをはじめとする悪徳役人や、使用人を奴隷扱いする両班に憤慨し、ついにマンドゥクらの住む古阜で暴動(民乱)を起こします。

イガンもまた(悪徳役人の)例外ではなく私刑にされそうになりましたが、東学を信じていた母のおかげで助かります。ボンジュンもまたこれからは人間として生きろと激励してくれました。一方のイヒョンはでも、尊敬していた両班の師匠の嫌がらせに遭い、それまで見たことのない地獄に突き落とされます。ジャインはそんな中でもまだチャンス到来とばかりに軍商となりました。

このドラマに日本は「侵略者」として登場します。そうした描写を嫌う方も多いのは百も承知していますが、歴史を変えることはできません。それにこのドラマは、日本の侵略行為を批判するにとどまらず、朝鮮が日本をはじめとする列強の餌食になったのは、国内に大きな原因があったからだと強く警告もしています👍。それは「身分制」です。東学党が「人即天」を目指して戦ったのは、李氏朝鮮の長い歴史の中で、多くの朝鮮人が人として扱われず、両班や王室が民の犠牲の上にあぐらをかいてきたからで、この民乱が起きた時点で、もはや朝鮮は腐っていた、と両班の口から言わせています。

戦争とは、強者が弱者を支配しようとする欲が起こすものであり、ロシアとウクライナの例を見るにつけ、その欲は決して遠い昔のものだけではないとこのドラマを通して改めて痛感いたしました。自信を持ってお勧めできる大変素晴らしいドラマです。ひとりでも多くの方にご覧いただければと存じます🌹。

あらすじ

緑豆の花 あらすじと感想 1&2話 「あれ」と呼ばれて

3&4話 ペク・イガンの手

5&6話 ペク・イガンの道を行く

7&8話 覚醒と絶望

9&10話 ジャインの恋

11〜13話 敵味方

14〜16話 和約締結

17&18話 罪深き身分制

19〜21話 景福宮の日の丸

22&23話 しぶとい縁

24〜26話 命が尽きるまで

27&28話 将軍への餞別

緑豆の花 最終回あらすじと感想(29話含)兄弟の運命

登場人物とキャスト

主要人物

ペク・イガン(チョ・ジョンソク〜カン・ソヌ@知ってるワイフ):
ペク・マンドゥクの長男で借金取り。母のユウォルが奴婢なため、皆から使用人扱いされている

ペク・イヒョン(ユン・シユン〜キム・タック@製パン王キム・タック):
マンドゥクの次男で嫡子だが、イガンを兄上と呼んで慕っている。日本に留学し、科挙を受ける予定で、両班の娘と婚約するも?

ソン・ジャイン(ハン・イェリ〜ユルラン@六龍が飛ぶ):
全州旅閣という商団のリーダー。野心家

チョン・ボンジュン(チェ・ムソン〜スインの父@):
東学党の接主。別名、緑豆(ノクトゥ)将軍

ペク・マンドゥク(パク・ヒョックォン〜パク・ジョンファン@パンチ~余命6ヶ月の奇跡):
イガンとイヒョンの父で衙前と呼ばれる下級役人。自分が中人であることに劣等感を抱き、イヒョンが出世して「宰相の父」となるのが夢

古阜の人々

ペク家

ユウォル(ソ・ヨンヒ〜ボクス@ヨメ全盛時代):
イガンの母でペク家の奴婢

チェ氏(ファン・ヨンヒ〜オクチュ@華政(ファジョン)):
マンドゥクの正室でイヒョンの母

ペク・イファ(ペク・ウネ):
イヒョンの姉

キム・ダンソン(ムン・ウォンジュ〜キム・ギボム@ストーブリーグ):
イファの夫で武官

ナムさん(チョン・ソンチョル):
ペク家の執事

ファン家

ファン・ソクジュ(チェ・ウォニョン〜キム・ウチョル@2度目の二十歳):
両班で、賢いイヒョンに目を掛けるも「身内」になることには難色を示す偽善者👎。ボンジュンとは長年の友人

ファン・ミョンシム(パク・ギュヨン):
ソクジュの妹。兄とは違い、優しく気高い心の持ち主

ほか

ホン・チャンウク(チョ・ヒボン〜ソ・イル@トップスター・ユベク):
マンドゥクの部下。刑房

オクセ(チョ・ヒョンシク〜キム・ソッコ@ミセン-未生-):
イガンの子分

パク・ウォンミョン(キム・ハギュン〜チェ・ミョンギル@花たちの戦い~宮廷残酷史~):
新任の郡守

チョ・ピョンガプ(チャン・グァン〜チョ尚膳@王になった男):
ウォンミョンの前任

東学党(倡義軍)

幹部

チェ・ギョンソン崔景善(ミン・ソンウク〜ケビン・チョン@誰も知らない):
ボンジュンの弟分

ソン・ファジュン(ホン・ウジン):
茂長の接主

キム・ゲナム(キム・ジョンホ):
泰仁大の接主

別働隊

ヘスン(アン・ギルガン〜ヤン・チス@一度行ってきました):
唐手の達人。見た目はゴツいが実はとても優しい

ポドゥリ(ノ・ヘンハ):
銃の使い手。こちらも仲間思いで心優しい少女

ボンゲ(ビョンホン):
本名はキム・ハクス。古阜の出身

トンロッケ(チョン・ギュス〜ソン班長@スキャンダル):
明るいムードメーカー。トンロッケの意味は「村の犬」。糖尿病の妻とふたりの息子がいる

キム・ギョンチョン(パク・ジファン)

義兵

名もなき義兵(ユン・ギュンサン〜ホン・ギルドン@逆賊~民の英雄ホン・ギルドン、イ・ジュニョク〜ヤン・ジュンソク@パンドラの世界〜産後ケアセンター

イ・ソンゲ(チェ・サンウ〜端宗@インス大妃)、イ・バンウォン(キム・ヒョンビン):
トンロッケの息子たち。名づけたのは漢陽の命名士(イ・ジュニョク😁)

キム・グ(パク・フン〜タルムン@ヘチ~王座への道):
黄海道接主

商団

ソン・ボンギル(パク・チイル〜ナム・ウヒョン@ザ・ゲーム~午前0時:愛の鎮魂歌 (レクイエム)):
ジャインの父。都接長(行商人の大将)

チェ・ドッキ(キム・サンホ〜パン・ジョンベ@棚ぼたのあなた):
全州旅閣の行首。元は訓錬都監の従事官で武術の達人

王室&官僚

興宣大院君イ・ハウン(チョン・グクファン〜ワン・ヨングン@マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜):
高宗の父

高宗(イ・チャニョン):
国王

閔妃(キム・ジヒョン〜定妃アン氏@六龍が飛ぶ):
高宗の正室

キム・ハクジン(ナム・ムンチョル〜オ班長@愛の迷宮~トンネル):
全羅道観察使

ホン・ゲフン(ユン・ソヒョン〜イ・ジュホ@ピノキオ):
両湖招討使。閔妃派

イ・ギュテ(ソン・ウヒョン):
ゲフンの部下だが、元はドッキの部下でもあり、己の信念を貫いて武官を辞めたドッキを尊敬している

イ・ドゥファン(ソ・ジョンボン):
壮衛営領官。日本のイヌ

日本人

武田陽介(イ・ギチャン):
日本公使館の官僚でイヒョンの大学の先輩

大鳥圭介(キム・イヌ):
日本公使

井上馨(オ・ヨン〜チョン・ウジン@ザ・ウイルス):
大鳥の後任

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こん
Fさんへ
2022/10/10 (Mon) 07:41

拍手コメントをありがとうございます♪

Fさん、こちらにもありがとうございます。

本当に良いドラマでしたよね〜。チョ・ジョンソクさんをはじめとする俳優さんたちの熱演も素晴らしかった。

特にチェ・ムソンさんは、以前刑務所のルールブックを見た以来ずっと「ミンチョルオッパ」だったのに、もはやすっかりボンジュンに取って代わられました。おっしゃる通り、心に残る名作でしたね。こん