韓国ドラマ【善徳女王】を約10年ぶりに再視聴して思うこと
~善徳女王のレビュー一覧表はこちらになります: 善徳女王レビュー一覧~
韓国ドラマ、【善徳女王】を約10年ぶりに再視聴いたしました。先ほど最終回を見終わったところです。
このドラマ、最初の頃は本当にスケールが大きくてものすご~く楽しくて大好きだったのが、終盤以降はそれが「人間(メロ)ドラマ」になったことが当時のおばさんにはどうにも許せなくて、最後は大いに罵倒しまくって終わったというおばさんにとっては「残念極まりないドラマ
」でした。ですから再視聴したいなどとは夢にも思いませんでしたの
。
それが今回、なぜだか見ても良い気になって最初から視聴したのですよね。以前見た時は吹替だったし、生声&字幕で見るのも悪くないし、少女時代だけでも見てみよう
、そんなつもりだったのが、あれよあれよという間に、とうとう最終回まで見てしまいました
。
それで見終わった感想はですね、「そんなに怒るこたなかったんでない?」です
。というより、なぜそんなに怒ったのか分からん
ぐらいなのです
。おばさんの感じ方が変わったのか、はたまた、これはジャイアントでもそうだったのですが、吹替の声のせいでしなくてもいいイライラを募らせたのか(吹替だとトーンがデフォルメされる)、今となっては分かりません
。
もうね、最後の方はピダムとトンマンが可哀想でなりませんでした。以下ちょっとだけピダムとピダムをメインにした最終回について語らせてくださいませね
。
赤ん坊の頃ミシルに捨てられたピダムはその後ムンノに育てられました。ムンノは「チンゴル」のピダムを双子の王女のひとりと結婚させて「王」にするつもりだったのですが、ある時ピダムの残忍さに気づいてその願いを断念します。ピダムへの態度も常に冷淡になりました
。
そんな愛のない暮らしで成長したピダムは、初めて自分を認めてくれたトンマンに恋をします。その「恋心」はトンマンが王女になっても、そして女王になっても変わることはありませんでした
。トンマンもまた、女王になった自分を「トンマン」と呼んでくれるのはピダムだけだと、徐々にピダムを愛するようになります
。
でもその一方で、女王としてのトンマンには常に「計算」が働いていました。ミシル亡き後、その勢力を納められるのは息子のピダムしかいない、しかもそのピダムはトンマンに恋をしているのです。これほど好都合なことはありません
。ずっと独身を貫いてきたトンマンがピダムとの婚姻を決めたのも、ピダムの力を利用して貴族たちを黙らせるためでした。
トンマンはピダムにお揃いの指輪を渡します。懸案の問題が片付いたらチュンチュに譲位をし、ピダムとともに穏やかな暮らしがしたいと考えていたのです
。ピダムもまた、トンマンが譲位したら、自分も政務から手を引くと誓いました
。
が、この密約を知ったヨムジョンが動き出します。トンマンの親衛隊のひとりを買収してピダムの命を狙わせることによって、トンマンがピダムを殺そうとしたとピダムに思い込ませたのです
。
どんなにトンマンを愛していても、心のどこかに「愛されない不安」を抱えていたピダムは、まんまとこの罠にはまりました。こうしてピダムはついに「ピダムの乱」を起こします
。
一方のトンマンはチュクパンに、ピダムへの恋文を託していました。が、ピダムは既にヨムジョンに騙されて謀反を決めてしまっています
。この事実を知ったチュクパンは、なんとしてもピダムの誤解を解こうと、殺されるのも覚悟でピダムに会いに行きました
。これをサンタクが助けます
。
チュクパンの忠義もさることながら、このサンタクの忠誠心も見事でしたね~。サンタクはミシルの乱の時も、最後の最後までミシルを見捨てなかったのですよね
。そして今回も、ピダムの依頼を受け、命がけでヨムジョンの裏切りを突き止めました
。
サンタクからこれを聞いたピダムはヨムジョンを殺します。ヨムジョンは死ぬ前に、悪いのはトンマンを信じ切れなかったピダムだ、と罵倒しますが、たとえそれが真実だとしても、そんな可哀想なピダムを騙す方が悪いのです
。
その頃トンマンはチュクパンから、ピダムが罠にかかったという報告を受けました。でもトンマンは、ピダムがトンマンを信じ切れなかったことに失望します。なぜ私に直接確かめようとしなかったのか
。それは「不安」だったからですよね
。
トンマンはピダムを「神国の敵」と明言し、殺害命令を出しました。ずっとトンマンを見てきたアルチョンとユシンは、そんなトンマンの気持ちを思いやりますが、トンマンは「女王」として決断したのです
。
そしてピダムは、最後にトンマンに伝えることがある、とやってきます。一緒に来たサンタクには遠くに逃げるよう促しましたが、そこに新羅の兵たちが現れました。サンタクは最後までピダムを庇って=盾になって死んでいきます。
ついにトンマンの前に現れたピダムは、並み居る兵士たちを次々と倒していきました。ユシンは、もう終わりだ、これ以上兵を殺すな、と言い渡しますが、ピダムの目にはトンマンしか見えません
。
トンマンまであと30歩、あと10歩、と歩を進め、あともう少しで手が届くところまで来たところで、アルチョンとユシンに阻まれました。ユシンと対峙していた時には「トンマン、トンマン」とつぶやきます
。
ユシンはそんなピダムに最後のとどめを刺しました。ピダムは真っ赤な目で最後までトンマンを見つめ、静かに息を引き取ります。
トンマンは泣きながら、でも毅然として「謀反の終わり」を宣言しました。そして、ピダムの目の前にバッタリと倒れ込みます。もう光を失ったピダムの視界に入ろうとするかのように
。
その後トンマンは寝所で、心配して付き添っていたアルチョンとユシンに「夢」の話をして聞かせました。幼いトンマンがムンノを探していると、誰かがトンマンを抱きしめたというのです。でもそれが誰だか分からない、と話しました。またユシンからは、ピダムの最期の言葉を聞き出します。それが何を意味するのか、トンマンには分かったはずです
。
その後しばらくしてトンマンは亡くなりました。その直前、領土を見渡せる崖の上で隣にユシンを従え、苦楽を共にしたユシンなら、今後の新羅を託せると語ります。そして「夢」の女性が誰だか分かったと語ると、それは誰かというユシンの問いには答えず、昔駆け落ちをしようとしたことがあったな、また逃げようか、とユシンをからかいました。戸惑っているユシンの横で、トンマンは静かに目を閉じます。がっくりと落ちた手には、ピダムとお揃いの指輪が嵌られていました。
その後ユシンは、トンマンの期待通り、百済を倒しました。後は高句麗だけだと、すっかり年老いたアルチョンとユシンがトンマンの墓に報告します。
最後はそのトンマンの夢が明らかになりました。もう皆さまはお分かりですよね。うら若いトンマンを抱きしめたのは将来のトンマンです。今はただ毎日が希望や夢でいっぱいのトンマンに
、これからは辛くて厳しい道が待っている、それを一人で生きていくのだ、と慰め、激励しに現れたのです
。
確かに、昔のおばさんが期待していたような「三韓統一」の礎となるような壮大な歴史ドラマ、ではなかったけれど
、これはこれで心打つ結末でしたよね
。そう思えるのに10年もかかったけど?
、再視聴してよかったです
。この巡り合いに感謝です
。
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