みをつくし料理帖スペシャル(前編) ネタバレと感想 心星ひとつ
黒木華さん主演の【みをつくし料理帖スペシャル】を視聴しました。今週は前編の「心星ひとつ」です。
もともとはNHK総合の土曜時代ドラマで放送されていましたが、当時は家庭の事情で見ることができませんでした。スペシャルだけでも見られて感激です。
北川さんも良かったけれど黒木さんもお似合いですね~。赤切れの手を見てこちらまで胸が痛くなりました
。
普段は酒を出さないつる屋ですが、「三方よしの日」だけは別でした。その日は吉原の翁屋で働いている又次(萩原聖人~竹部順一郎@アルジャーノンに花束を)も助っ人に入ってくれています。「三方よしの日」とは月に三度、三のつく日にだけ酒を出すことを指し、店によし、客によし、世間によしで三方よし
と、澪が名付けたのだそうです。
よう、下がり眉。
そう言って入ってきたのは、小松原こと小野寺数馬(森山未來~志ん生@いだてん)です。澪はこの小松原の事が好きなようです。
小松原は髪に何か緑色のものを付けていました。澪が目ざとく見つけて取ってあげると、小松原は「ほうき草の実」だと説明します。枝は文字通り箒の材料になるそうですが、その実は料理にも使えるらしい。いわゆる「とんぶり」でござりまするね。
小松原は、亡くなった母方の祖父が陸奥の出で、このとんぶり(=「ははきぎ」とも言うそう)が好きだったと語りましたが、澪が言うには小松原が自分のことを話したのはこれが初めてだったそうです。当然澪の中では「ほうき草の実」は特別なものとして刻まれました
。
その後、早帆(佐藤めぐみ~島洋子@デカ黒川鈴木)という武家の奥方がやってきます。なんと澪に料理指南を頼みに来たのだそうです。
これは後で分かったことですが、早帆は小松原の妹でした。小野寺家は御膳奉行という食に関わる役職ですが、逆に奥向きでは誰も料理をしないらしく、早帆の料理の腕は見るも無残なものだったそう
。
澪は快く引き受けて、懇切丁寧に指導しました。その一方で、早帆の母が腎臓が悪くてむくんでいると聞くと、早速源斉(永山絢斗~八雲雅志@初めて恋をした日に読む話)に尋ねて、地膚子=とんぶりが効くと教えてもらいます。
ただその下ごしらえは生半可な手間ではありませんでした。それでも澪は、両手に真っ赤な赤切れを作ってまで、なんとか食べられるようにします。
また澪は、小松原によく似た(雰囲気でしょうか)早帆に心を許し、つい、小松原が好きだと打ち明けてしまったようです。
早帆がとりあえずご飯が炊けるようになるのに合わせ、澪はとんぶりの実を持たせようとしました。その澪の手を見た早帆はすぐに察したらしく、その澪を伴って実家に連れていきます。もう早帆はこの時点で、澪を兄の嫁に迎えようとしていたようです。
母親の里津(富司純子~斎藤順子@ナオミとカナコ)は、息子の嫁に料理人などとんでもないと怒っていたようですが、実際に澪の心づくしの料理を食べて、その考えが変わったようです。特にとんぶりには思い入れがあったらしく、貧しい田舎ならともかく、食べ物の豊富な江戸でははきぎの実を料理しようと思う娘がいたとは!?と驚いたのだとか。
そなたなら立派に数馬の心と体を支え、小野寺家を支えてくれよう。
が、肝心の澪が怖気づきました。何より澪は小松原の気持ちが不安でならなかったようです
。
それなのに、その澪を差し置いてどんどん話が進んでいきました。つる家の種市(小日向文世~リチャード@コンフィデンスマンJP)は、ただの浪人の方がよかった、とこぼします。そうすればお澪坊と一緒につる家を預けられたのに
。
でも母親代わりの芳(安田成美~篠川智恵子@ビブリア古書堂の事件手帖)は、澪の真っ赤に腫れあがった手を見て、澪の小松原への気持ちがどれほどのものかを察しました。幸せになっておくれ。
それでも澪は不安でたまりません。若くも美しくもない私を、本当に小松原様が望んでくださっているのでしょうか?
その小松原がついに店を訪れました。種市は、待ってましたとばかりに食って掛かります。お澪坊の気持ちを考えたことがあるのか!?あんたはお澪坊をどう思っているんだ!!
小松原は何も知らなかったようですが、仔細を知るとすぐに澪に求婚しました。
俺の女房殿にならぬか?ともに生きるならば下がり眉がよい。
澪は両手で顔を覆い、小さくこくんと頷きました。
店の者は皆祝福し、源斉までもが祝いに駆け付けてきます。己の澪への気持ちを封じて澪の幸せを願ってくれる源斉がまた素敵でしたね。
が、その後澪には次々と難問が降りかかってきます。
まず嫁入りに、父の形見の塗り箸を持っていきたいと願い出たら、塗り箸は格が低いから、どうしても持ってくるなら他の者には知られないようにしろと命じられました。
また、幼馴染で吉原の花魁のあさひ太夫こと野江(成海璃子~松浦幸子@ドン★キホーテ)は、澪に迷惑が掛かってはいけないと、いつも作ってもらっていた弁当すら断ってきたそうです。
あさひ太夫のことも翁屋のことも、これまであった何もかも一切合財忘れちまいな。
そう語った又次は「三方よしの日」には来ないと言い切りました。元はと言えば、翁屋の楼主が澪を見込んで又次をよこしたので、澪が辞めるのなら事情が違ってくるのだそう。
澪はすっかり悩んでしまい、源斉に相談しました。
道が枝分かれして迷いに迷った時、源斉先生なら どうなさいますか?
源斉は「心星」を探すと答えました(北極星でしょうか)。すべての星はあの星を軸に回っているように、たとえ悩みや迷いがあっても、実は揺るぎないものが潜んでいるはずだと教えます。
これだけは譲れないというものが、その人の生きる標となる心星でしょう。
澪にとってはそれは「料理」なのです。澪の作った料理を食べて、美味しい美味しいと笑ってくれる幸せそうな人々の笑顔~澪はこれまでそのために生きてきたと言っても過言ではありません
。
澪はその道を行くと決意を固め、小松原との縁談を断りました。小松原は、そう決めたのなら迷わずにその道を行けと励まします。あとのことは何も案ずるな。全て俺に任せておけ
。
何ともつらい決断でしたが、たとえ今は辛くても、両手両足を縛られて生きていくよりは、この決断をしてよかったのだと心から思える日がきっと来るはずです。
「みをつくし料理帖」は来週の後編も楽しみですね~。
みをつくし料理帖(全10巻)+みをつくし献立帖(1巻) (ハルキ文庫 た 時代小説文庫)
これまでに視聴した日本のドラマの視聴リストはこちらです
: 視聴ドラマ一覧~日本ドラマ編
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