オスマン帝国外伝4 ネタバレと感想 第48〜51話 真の勇者、ムスタファを称えん
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【オスマン帝国外伝4~愛と欲望のハレム~】の48話から51話まで視聴しました。以下ずばりネタバレです。
虐げられた者の物語
ついにムスタファが処刑されてしまいました。そこに至るまでのムスタファの言動、そして彼の「遺書」を読むにつけ、この物語はきっとこのムスタファの無念を描くために作られたに違いないと確信したおばさんです。今回はその点を中心にまとめてみました🌹。
ムスタファの覚悟
スレイマンからコンヤの陣営に来るよう命じられたムスタファは、すぐに用意を整えました。周囲は皆、彼を引き止めますが、ムスタファは大丈夫だと言い張ります。でも心の中では「処刑」されるかもしれないとの覚悟を決めていました。これまでも何度もそんな危機を乗り越えてはきましたが、その一方でムスタファは、スレイマンの目に宿る冷たい光を感じてもきたからです。
ムスタファはスレイマンに宛てた「遺書」をしたためて、その懐にしまいました。
遺書
父上。父上が私の懐にあるこの手紙をお読みにならぬことを願います。なぜならこの手紙は、私が決して実現を望まぬ未来に向けて書いたものだからです。父上がこの手紙をお読みになっているとすれば、私は父上に殺されたということ。
陛下、我が命たる父上。手紙をお読みなのは、御身の心臓を引き抜かれたのですね。私はかりそめの世を去りました。父上は罪に手を染め、罪なき者の命をお奪いになりました。
互いに誓いました。私は反乱を起こさぬことを誓い、父上は、命を奪わぬとお誓いに。私は誓いを守り、決して裏切りませんでした。我が息子メフメトと、我が娘ネルギスシャーの命に懸けても決して。しかし父上は誓いを破られました。反故になさったのです。
私は父が息子を殺す非情な世界を去ります。地位や権力のために父親の命を狙う残酷者になるくらいなら、虐げられた者として死にましょう。我が名は父上のように輝かしく歴史に刻まれないでしょう。私の勝利が語られることはありませぬ。私が世界を統治する王座はなく、歴史家は私を反逆者(ハーイン)や裏切り者だと記すでしょう。
それで構いませぬ。神は真実をご存知なのですから。いつか虐げられた者の物語が語られましょう。何年も何百年も後に私の物語が語られ、聞いた者が真実を知るでしょう。そしてようやく、虐げられた者は名誉を挽回するのです。
愛に包まれて
ムスタファは、まばゆいばかりの純白の衣に身を包み、愛する家族に別れを告げて死出の旅路につきました。タシュルジャルにはこれまでの感謝を伝えます💐。お前との友情は私の宝だった。一方のミフリュニーサはその前に密かにタシュルジャルとアトマジャを呼び、スレイマンを皇位から引き摺り下ろす!と檄を飛ばしています。なんとしても殿下をお守りせねば!!😡
ムスタファは、スレイマンに命じられた通り、コンヤの陣営から少し離れたところに天幕を張りました。とそこへ、ファトマからムスタファを守ってほしいと頼まれたカラ・アフメトからの「匿名の矢文」が届きます。アフメトは、スレイマンの元に「処刑人」が派遣されてきたのを見てムスタファの処刑を確信したのです。スレイマンの天幕へ行ってはいけない。命が危険だ。でもムスタファは、これは敵の罠かもしれないと反論します。反乱を煽る気なのかも知れぬ!
ムスタファの脳裏をスレイマンの冷たい言動がよぎります。最後通告だ。次に過ちを犯せば躊躇なく沙汰を下す!💀
ムスタファは心配するアトマジャに、皇帝の楽園を追放された皇子のムスタファに誠心誠意仕えてくれたアトマジャは稀有な存在であり、「心強い盟友」だったと語りました。そして最後の命令を伝えます。もし私に何かあったら、この命を無駄にせず、必ず理想を叶えろ。そのための道はただ一つ。バヤズィトの元へ行って忠誠を誓え。弟が王座に着くまでそばに仕えろ🌸。
翌日ムスタファは、スレイマンの天幕へ向かう途中で大勢のイェニチェリに出会いました。彼らはムスタファの行方を遮り、ムスタファを待っているのは「死」だから、行かないでほしいと必死で訴えます。ムスタファは彼らの忠誠に感謝しながらも、彼らのなすべきことはムスタファを遮るのではなく共に行くことだ、と戒めました。
そのムスタファがスレイマンの天幕に到着すると、そこは異様な空気に包まれていました😨。アトマジャはいち早く「殺気」を察し、仲間の隊長たちが始末されたと気づきます。その頃タシュルジャルは、今か今かと彼らの知らせを待っていました。それでアトマジャは自ら馬を走らせますが、後ろから刺客に射られてしまいます😱。
人でなしの所業
死神の手配
ムスタファの予感は的中しました。スレイマンは密かにロクマンに命じて「処刑人」を用意させます。それも一人ではなく数名です。この処刑人たちは徹底的に他の下僕たちとは区別され、その墓碑には名前すら刻まれないそうです。彼らはそれを「使命」と心得て実行しました。皇帝は地上における神の影だと信じていたのです。その聖断が下された時、彼らは皇帝の死神となって命を奪う。イブラヒムを始め、これまでにも何百という首を絞めてきました。相手の素性も罪状も知らされぬまま、有罪だという確信すらありません。命令が下された時に彼らが願うことはただ一つ。神よ、無実の者を殺させたもうな。
平気な顔で嘘をつく
またスレイマンは、ムスタファのことが心配で遠征に付いてきたジハンギルにも平気な顔で嘘をつきました👎。ジハンギルは、ムスタファは無実だから決して処刑しないでほしいと訴えたところ、スレイマンは「殺すはずがないだろう」とニッコリ笑って答えたのです😡。素直なジハンギルはすっかり騙されてしまいました。ムスタファの天幕へ行き、処刑はない、と断言します。ムスタファはジハンギルを信じようとし、自分の指輪をジハンギルに贈りました。お前はいついかなる時も私の味方であり希望だった🎁。
嘘を重ねる
その夜スレイマンはセリムを呼んで、明日はジハンギルを狩りに連れて行けと命じました😈。セリムはいち早くその意図を見抜きましたが、黙って引き下がります😨。セリムに誘われたジハンギルは一瞬疑ったものの、セリムから「父上と兄上は後でくる」と言われて出かけて行きます。途中でも何度も躊躇いますが、その度にセリムから「父上は兄上を殺さないと言ったのだろう?」と言われて己の不安を振り払いました😭。
鬼畜の発言
スレイマンは、天幕に、武器も持たずにただ一人で入ってきたムスタファを憎々しげに睨みつけ、お前は私を裏切った!と吐き捨てるように言いました。椅子に座って息子を睨みつけていると、処刑人たちが姿を現してムスタファに襲い掛かります😨。ムスタファは何度も何度も「父上!」と叫び、己の無実を訴えました。私は裏切ってなどおりませぬ!!スレイマンは、処刑人たちを投げ倒すムスタファの姿に苛立ちを隠せず「さっさと殺れっ!💢」と叫びました😡。しまいには席を立ち、近くに寄ってきながら「早くせよ!」と催促する始末です😱。
父上、父上っ!!ムスタファは父の名を呼びながら必死で抵抗していましたが、最後はマフムードが乗り込んできて自ら手を下しました。こうして哀れなムスタファは、世にも冷たい父、否、悪魔の前で絶命してしまいます。
静かな抵抗
スレイマンは処刑人たちを追い出すと、ムスタファの遺体に近づいて行きました💀。そこで目の前に横たわっているムスタファの姿が幼き日のそれに取って代わります。スレイマンはその体を抱きしめて泣き出しました👎。そこで「ムスタファの遺書」を見つけます。もはやどんなに後悔しようと後の祭り、優しく気高いムスタファの魂はもはやその肉体には戻ってきません。
慟哭
ムスタファの遺体が天幕から運び出されました。イェニチェリたちはこぞって己の胸をどんどんと叩き、その無念さを露わにします😭。そこへタシュルジャルやジハンギルも駆けつけてきました。どうして、どうしてっ!?ジハンギルは「平気で嘘をついた父」を罵りました。殺さぬと言ったではありませんかっ💢!!セリムですらも、兄の遺体を見て激しく嘔吐しています。父が息子を殺害するという行為はどう見ても「悪魔の所業」としか思えなかったからですよね😤。
リュステムの罷免
アフメトは、イェニチェリがムスタファの無実を信じ、リュステムの陰謀で処刑されたと訴えていることをスレイマンに伝えました。スレイマンは早速リュステムを呼びつけて怒鳴りつけますが、リュステムは、いまさら「聖断」を覆すことはできないと反論します。そんなことをしたらスレイマンの命すら危ういと仄めかしました。このまま突き進むしかないのです!
スレイマンはリュステムを罷免し、代わりにアフメトを大宰相に任命しました。それでもイェニチェリの怒りは収まりませんが、なんとか「反乱」だけは免れます。タシュルジャルは、ムスタファの遺体に付き添ってブルサに向かいたかったようですが、アマスヤにいる家族にムスタファの訃報を伝えに戻りました。息子の死を知ったマヒデブランは毒を飲んで死のうとしますが、メフメトが部屋に入ってきたため、思いとどまります。
まとめ
本当に残酷で痛ましい出来事でした。賢い息子(王子)が愚かな父親(王)に殺された例は洋の東西を問わずに存在したのですね。
でも、これまでの繰り返しになりますが、おばさん個人としては、やはりヒュッレムを責める気にはなれませんでした😔。もしムスタファが「弟のメフメトを殺したのはマヒデブランだった」と知っていたら、きっと同じ気持ちだったと思いますよ。ヒュッレムが、残された子供たちを守るためにムスタファを殺そうとしたのも無理ないもの💦。そもそもの発端はそこですからね。
それに、これまでのスレイマンとムスタファの回想シーンを見ても、スレイマンがムスタファを疎んじるようになったのは、やっぱりマヒデブラン(とイブラヒム)が原因のように思えてなりませんでした。マヒデブランは、ことあるごとに息子にスレイマンに対する不満を語って育てていたから、母親思いのムスタファもまたスレイマンを責めるしかなかったのですよね。彼女はスレイマンが「権力の虜になった」と責めていたけど、それは自分も同じでしょう?息子を皇帝にしようとあがいた結果がこれ=因果応報ですよ👎。
それはきっと今後ヒュッレムにも同じことが起きるのでしょうね😔。メフメトを殺された復讐をしたヒュッレムにも同じように天罰が下される。おそらくは、今ムスタファの死を心から悲しんでいるジハンギルを奪われることになるのではありませんか😢。それに、ムスタファがアトマジャに指示したように、今後はセリムとバヤズィトという、自分が産んだ子どもたちが文字通り「骨肉の争い」をすることになるのですからね。それ以上の地獄はありませんよね😨。
もちろんそれはスレイマンも同様でしょう😤。コイツはろくな死に方をしませんよね〜きっと。
あ〜とにかくしんどい1週間でしたわ😭。今後はアトマジャのリベンジを楽しみに見続けることにいたしまするよ。いや、ムスタファが最後の命令を下したからには、アトマジャはきっと生きてますって😏。
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